草になりたい
こんにちは、草野です。
今日のテーマは、昨日のブログ『シロクマになりたい』の続き、というか、スピンオフ(笑)です。
※あらすじ※
自分は何者になりたいか、というテーマに対し、いきなり「草になりたい」と言い出した神さん。
神「草っていいじゃないですか。雨に打たれても犬におしっこかけられても動揺したり怒らず、ただそこにあり続けるんですよ」
草野「『そういふものにわたしはなりたい』」
神「草は感情がないから……あ、私の中では、草は感情がないと思っているから、そしたら我慢しなくてもいいというか、我慢っていう事そのものがなくなるじゃないですか」
草野「(あれ? 通じなかった?)まあ……そうですね。でも人間だって、嫌な事と向き合ってそれを一つ一つ克服していけば、我慢なんてしなくてもよくなるじゃないですか」
神「大変ですよ、キリなくないですか?」
草野「たとえ完成する事がないとしても、不完全なモノ(人間性)を少しずつ、完成に近づけていくのが好きだなー、私は」
神「草は最初からそうなんですよ」
草野「草、っていうか、木でも空でも何でもいいですよね」
神「風に身を任せてそよぐ感じがいいんです」
草野「なるほど(笑)」
草野「という事は突き詰めると、神さんは“外からの干渉”を避けたい、って事ですよね」
神「そうなんですかね」
草野「外からの刺激に自分の思いや感情を煩わされたくないというか」
神「それはあるかもしれないです」
草野「人それぞれモノの見え方や捉え方が違うように、神さんには神さんの価値観や世界観があって、それは何者にも干渉されない、神さんだけの感覚じゃないですか」
神「なんだか宇宙みたいですね!」
草野「宇宙?」
神「星の一つ一つは独立して独自の文明を築いている(と仮定する)のに、遠すぎて干渉し合わないというか」
草野「面白い例えですね! でも実際、人間も小宇宙に例えられますしね」
草野「そう思うと、“外からの干渉”を受け入れるか受け入れないかも、全て神さん次第じゃないです?」
小考する神さん。
神「そうか……私は既に草になっていたんですね」
その日、神さんは草になった。
~完~
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